一條 貴彰
2000年代後半から勃興した、ゲーム文化の新たな潮流「インディーゲーム」。80年代に生まれた「同人ゲーム」から続く国内のインディーシーンは、年々その規模を拡大しつつも国内外からのプレゼンス確保に苦戦しており、作品群は日本ならではの表現力をもちながらも、風土的な制限により活躍の芽が出にくい状況のままといえます。そんな国内のインディーシーンを紹介し、現在の苦境と、それを打破するために必要な要素について解説する本連載。最終回の本稿では、作品を周知するために欠かせないインディーゲームの展示イベントを取り上げます。
連載目次
インディーゲーム開発者の最も大きな悩みは、「自分の作品をいかにゲームファンに知ってもらうか」という点である。通常のゲーム開発会社であれば、社内広報担当がおり、大小の差はあれど広告を打つための予算が用意される。しかし、個人や数人でゲーム開発を行っていくインディーゲーム開発者にはそのような人手や予算はない。その弱点をカバーする方法として、「インディーゲームが出展できるゲームイベントに参加する」ということが大きなポイントになっている。本記事では、インディーゲーム開発者における展示会の意義と、現在の日本をとりまくイベントの状況、その課題について紹介する。
「ゲームの展示イベント」と聞いて想像するであろう光景は、東京ゲームショウのような大型のゲーム展示会かと思う。大きなゲームの看板が立ち並び、広いブースと大量のゲーム試遊台、コンパニオンスタッフがメディアのカメラマンに撮影されながら最新ゲームを巨大スクリーンで紹介する……という華々しいかたちを想像するだろう。
しかしながら、無名かつ小規模のインディーゲーム開発者にとっては、そういったかたちでの出展チャンスはほぼない。ゲームイベントにおいて限られた予算で獲得できるのは数メートル四方程度の小さなスペースであるし、インディーゲーム専門のイベントだったとしてもブースサイズはさほど変わらない。イメージとしてはビジネスフェアの「小間」スタイルに近い。ありがたいことに大抵のゲームイベントにはインディーゲーム開発者のための比較的低価格なプランが用意されており、スポンサーによってはゲームの内容に応じて無料で出展できるチャンスがある。
そんな小さなスペースで出展して、はたしてゲームの宣伝に影響はあるのだろうか? と思うかもしれないが、じつはさまざまな効果がある。小さなスペースであっても、インディーにとって展示会に出展するメリットは大きい。具体的には、「ゲームファンへの訴求」「関連会社とのビジネス機会の創出」「メディアとのリレーションシップづくり」「アワード獲得による作品魅力の強化」の四つが大きな機能として挙げられる。
まずは何より、ゲームファンに自分の作品を知ってもらわなくてはならない。ゲームのイベントには多種多様な層のゲームファンが来るため、開発中の作品であればユーザーフィードバックを得るよい機会である。自分がつくっているゲームを実際のターゲットとなるプレイヤーに触ってもらい、自分の狙いが合っているのか、想定外の動作をされたときに何が起きるのかを観察できる。そしてインディーの展示会では、展示している人が開発者そのものであることも多いため、ノートパソコンをその場で開き、不具合や改善点を修整している姿もよく見る。
次に重要なのが、ゲームを届けるにあたって必要な他企業との関係づくりである。ゲームを多くのファンに届ける活動にとって「パブリッシャー」という存在は欠かせないが、そのパブリッシャーに自分の作品を売り込む場としても機能している。また、ゲームを家庭用ゲーム機へ移植したり、多言語に翻訳したりといった機能を提供する事業の企業もいる。そうした企業がブースに営業でやってくることが多いため、その場で名刺を預かって条件がよければ後日別途ミーティング、と進むことができる。
さらには、メディアとのリレーションシップづくりも展示会において大きな目的の一つである。前述したように、インディーゲーム開発者は広告に掛ける予算がない。そうなるとゲーム展示会でメディアに知ってもらい、ゲームを紹介する記事を書いてくれるように働きかけることになる。メディアとの連絡手段としては、ゲームのプレスリリースを発行することなどがあるが、掲載確率は大きくない。しかしゲーム展示会であれば、記者と直接会話することになる。単にメディアといっても記者は大勢おり、そのなかでも特に自分の作品を気にかけてくれるタイプの記者との直接の交流を持っておきたい。こうすることで、大量のゲームニュースのなかから自分の作品についての情報を記事化してもらえる確率を上げることができる。
そして、「アワード」の獲得が展示会出展においてもまた重要な目的の一つである。大抵のインディーゲームに関するイベントでは、出展者のなかから優秀な作品を表彰する「アワード」がある。いわゆる「何々賞」といったもので、ゲームの特性などに合わせていくつかの賞がある。こうした賞には、ほとんどの場合賞金があるものではない。開発者にとっては「この作品はこのイベントで賞を獲得した」ということが作品アピールの一つの武器になる。例えばゲームの販売ストアに受賞歴を掲示したり、ゲームタイトルの宣伝を行う動画などで表示したりすることで、ゲームファンやメディア、ビジネス対象の企業に対して作品のクオリティが高いことを示すことができる。ゲームの販売を展開する「パブリッシャー」に対しても、〇〇賞受賞、という強みは直接的なアピール力になる。
大きな目的ではないが、「同じ志を持つ開発者との出会い」もゲーム展示会に期待できる目的の一つだ。前回の記事でも紹介したように、インディーゲーム開発者は孤独だ。イベントの機会に同志を見つけることによって、開発やゲームの販売に関わるさまざまな情報を交換することができるだろう。新型コロナウイルス感染症の影響下でコミュニケーションが何かと取りづらい状況だが、開発者からの情報は貴重だ。
インディーゲームのイベントには、基本的には開発者自身が自費で出展するものだが、そのなかでもゲームの販売を行う「パブリッシャー」の獲得に成功した開発者は、そのパブリッシャーが設置した大きなブース内での作品展示ができることもある。
日本国内でもインディーゲームを対象とした展示イベントが多数行われている。すべてではないが、一部を以下に紹介する。
「デジゲー博」は、毎年11月に東京・秋葉原で開催されている同人・インディーゲーム展示即売会だ。2022年には記念すべき開催10回目を迎え、220チームがゲームを展示した。イベント内の日本発のゲーム出展数としては最大といえる。
デジゲー博の特徴の一つとして、出展費用が比較的安価であり、展示時のゲーム内容の審査がない点が挙げられる。応募時のルールを守りさえすれば出展可否は抽選で決定される。つまり、ゲームの完成度や表現内容などに一切左右されない。オープンな作品発表の場として守られており、日本のインディーシーンを一望できるイベントといえば「デジゲー博」だろう。
このため、ゲーム開発を始めてまもない開発者が初めて参加する展示会として筆者はおすすめしている。出展の敷居の低さから、学生や若手の参加者も多い。筆者のインディーゲーム開発者としてのキャリアもデジゲー博での出展から始まっており、個人的にも思い入れの深いイベントである。
BitSummitは京都で毎年開催されているインディーゲーム展示会である。出展ブースの規模において、日本最大のインディーゲームイベントといえる。そのルーツは国際的で、海外から日本に移住したゲーム開発者たちが地元のゲーム会社と協力して、インディーとしての活動を世界に知らしめるために新しいイベントを旗揚げしたところから始まった。BitSummitの特徴は、海外からの注目がとても高く、ゲームメディアやゲーム関係者も多く来訪している点だ。昨今、新型コロナウイルス感染症の影響によってオンライン開催や人数上限・収容率などの制限を行い開催したこともあったが、2022年の開催で10年の節目を迎えた。
また、大型のスポンサーによる試遊台がたっぷりそろったブースのつくりも特徴的で、まさに「祭典」といえる規模感がある。具体的には任天堂、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、日本マイクロソフトなどのゲームプラットフォーマー(ゲーム機の販売を行っている企業)や、インディーゲームの販売を手掛けるパブリッシャーがブースを構える。
出展タイトルに対するアワードを設けていることも重要なポイントである。2022年夏に行われた「BitSummit X-Roads」において、国内のインディーゲーム開発者からは総合大賞をネオトロ『NeverAwake』が獲得し、Indie-us Games『TrinityS』がPlayStation Awardを受賞している。BitSummitに参加すれば、その年に話題となった世界各国のインディーゲームのほとんどに触れることができるだろう。
東京ゲームショウは1996年から始まっている歴史の長い日本最大のゲームショウだ。インディーに対する注目も早く、2014年からインディーゲームコーナーを設置している。特徴としては、スポンサーの支援による無償出店エリアがあることだ。審査に通過したタイトルの日本と海外の比率は半々程度である。昨年までのインディーゲームコーナーは大型ゲームが展示されるメインホールとは別に、物販やファミリー向けエリアと同じ棟に設置されており、世界中からゲームメディアが集まるイベントとして、少々もったいない状況になっていた。しかし2022年、新型コロナウイルス感染症の影響からの本格的な復活というタイミングで、メインホールの総合入り口すぐの場所に配置されたことで、改めてゲーム産業内でのインディー開発者への注目の高さが一段上がったことを実感した。
また、インディーゲームコーナーだけではなく、インディーゲームパブリッシャーが個別にブースを出展しており、前回記事で紹介した講談社や集英社、PLAYISMなどのパブリッシャーが自社販売のインディーゲームを展示していた。
世界最大のインディーゲームイベントといえば、「The Independent Games Festival (IGF)」だろう。ゲーム開発者向けのカンファレンス「Game Developers Conference(GDC)」と同時開催されており、展示のほかに「IGF Award」というアワードがある。これは、インディーゲーム開発者にとって最も大きな賞であるといえる。また、インディーゲーム開発者によって最も支持されている展示イベントは「PAX(Penny Arcade Expo)」だ。大型のゲームも出展するが、インディーゲームを比較的大きく取り上げるイベントである。ワシントンで開催される「West」、ボストンで開催される「PAX East」、オーストラリア・メルボルンで開催される「PAX Australia」といった複数の機会がある。インディーゲームのムーブメントは比較的英語圏からの波が大きかったため、こうしたイベントがインディーゲーム開発者にとっての登竜門として機能している。
そのほか、世界各国にもインディーゲームのイベントがあるが、日本から比較的参加しやすいものとして「台北ゲームショウ」と「釜山インディーコネクトフェスティバル」がある。まず台北ゲームショウは、台北で毎年開催されているゲームショウである。ゲームの総合的なイベントであるが、インディーのコーナーが大きい。以前はブースの出展費用や宿泊施設を海外の開発者に提供する誘致活動を行っていた。筆者は2018年と2019年に出展者として参加したが、いずれも素晴らしい機会であった。新型コロナウイルス感染症の影響によっておすすめしづらくなってしまったが、「海外の展示会に初めて出展する」という開発者には一番いいステップだと考えている。
「釜山インディーコネクトフェスティバル」は、韓国・釜山で行われているインディーゲームイベントである。よく知られているとおり、韓国は文化産業に巨大な政府補助金を投入しており、本イベントは釜山に設置された映画振興のための大型施設を使って開催されている。
前回の記事でも紹介したように、日本以外の各国においてはインディーゲームの分野を輸出産業として国や地域の行政がサポートしている。アジア諸外国のイベントから見て取れるのは、行政や地元産業がインディーゲーム開発者に対してイベントの資金提供を行っていることである。翻って日本では、いずれのイベントも事業者の自己資金で開催されており、その差は大きい。
新型コロナウイルス感染症の影響によって縮小した実地イベントの代わりに、オンラインでのビデオ配信番組のかたちをとったイベントが台頭した。YouTubeやゲーマー向けの動画配信サービスTwtichなどを通じて、ゲーマー向けに新作ゲームについての情報を提供する番組である。世界的には「Summer Game Fest」をはじめとする大型のビデオイベントで、複数のスポンサーと「Day of the Devs」などの動画番組が一連のツアーとして配信されるものである。
日本発のオンラインイベントで最も顕著なものとしては「Indie Live Expo」が挙げられる。Indie Live Expoは、インディーゲームをはじめとした個性的でユニークなゲームタイトルを紹介するオンラインイベントである。スポンサー提供による、大型なゲームタイトルに関する発表もあるが、個人や小規模ゲーム開発者に対しては「無償枠」として15秒の映像とゲーム内容の紹介を行うことができる専用のコーナーを設けている。1回のイベントでおよそ400タイトルものゲームが紹介される番組であり、とにかく大量のゲームと出会えることが特徴だ。2022年12月3日から4日にかけて開催された「Indie Live Expo Winter 2022」はゲームの紹介に加えて、有名なゲーム実況者がゲームをプレイする様子などが配信された。
同様のゲーム紹介番組としては、前回記事にて紹介したインディーゲーム開発者向けコミュニティ「asobu」が、独自の動画配信イベントとして「Asobu Indie Showcase」を実施している。日本国内のゲームと、asobuとパートナーシップを持つ諸外国のタイトルが紹介された。
先ほど紹介した「IGF」は、開発者向けイベントGDCと併催されている。日本国内において技術コミュニティ面から積極的にインディーサポートを行っているのは、ゲーム開発のためのソフトウェアを提供する企業である。
「ゲームエンジン」は、ゲームを開発するための総合開発環境(ソフトウェア)だ。インディーゲーム開発においても、これらゲームエンジンが多く利用されていることは前回の記事のとおりである。日本国内で利用者の多いゲームエンジンは「Unity」と「Unreal Engine」だが、日本ではどちらの会社も独自に開発者向けカンファレンスを実施している。カンファレンスの内容は、ゲームエンジンを利用した開発事例や利用するうえでの技術的なTipsの共有セッションが中心だが、インディーゲーム開発者の応援を目的とした作品展示コーナーを持つことが多い。
Unityは、開発者のための技術カンファレンス「Unite」を毎年開催していた。毎回さまざまなかたちでインディーゲームの展示コーナーが設置されており、Unityユーザーにとってはタイトル展示ができる貴重な機会だった。新型コロナウイルス感染症の拡大によってUniteは中断され、2022年にはオンライン専用イベント「SYNC 2022」を開催したが、物理的な展示コーナーは復活していない。
Unreal Engineをリリースするエピック ゲームズ ジャパンは、同様の開発者向けカンファレンス「UNREAL FEST」を関東と関西で毎年開催している。こちらも新型コロナウイルス感染症の影響下によってオンラインイベントに移行していたが、2022年11月に京都で久しぶりのオフラインイベント「UNREAL FEST WEST ’22」を実施。ここでは同エンジンを使用したインディー作品の展示を行っていた。
ゲームエンジンの技術に関するカンファレンスイベントは、ゲームファンは参加しないイベントである。そのためプレイヤーに対するプレゼンスは期待できないが、来場者はほとんどがゲーム開発者であるため、開発者同士が交流できることが特徴だ。また、開発の技術的な側面について、来場者やゲームエンジンの担当者から多くのフィードバックをもらえるイベントともいえるだろう。
2023年はさらに、ゲーム開発者向け総合情報ウェブサイトである「ゲームメーカーズ」が主催する開発者向けカンファレンス「ゲームメーカーズ スクランブル」も控えている。誰でも参加できる、セミナー形式で実施されるイベントだ。
2022年以降はインディーゲームに関する展示会が急速に増加した。「東京ゲームダンジョン」「ゲームパビリオンjp」(大阪)、「福岡インディーゲームエキスポ」といった開発者の有志が主催するもの、大手ゲーム開発会社のコナミデジタルエンタテインメントによる「Indie Games Connect」や、ゲームパブリッシャーPhoenixxによる「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」などの企業が主体となって実施するものなどがある。企業主催イベントには展示ゲーム作品の公募があるものと、パブリッシャーによるセレクション作品に限定されるイベントがある。
ゲームファンにとってはイベントが増えることはうれしいが、参加する側のゲーム開発者は大変である。どのイベントに出れば効果的なのか迷ってしまうし、取材を行うメディア側も分散してしまう。
そのうえ、すべての展示会が多様な開発者を受け入れているかというと、そうとも限らない。展示会の課題の一つに「審査の妥当性」がある。多くのイベントに出展作品の審査が存在し、そこには審査員によってバイアスがかかる。審査員の美的センスや価値観によっていいゲームが「逆キュレーション」され、日の目を見なくなる可能性がある。そうした審査のための費用が別途必要なイベントや、審査基準が不明なイベント、そもそも公募がないイベントもある。
こうしたなかに自分たちに合う展示会があったとして、出展のための審査申し込みにかかる準備も、開発時間が惜しいインディーにとっては大きな負担だ。内部でどんな人が何の観点をもって作品審査をしているか不明瞭であると、「自分の作品はイベントに取り上げてもらえないのではないか」という考えから申し込みをあきらめてしまうだろう。
ゲームイベントが増えすぎることについては、筆者としては「そのイベントならでは」のテーマが必要だと考えている。地域密着型やテーマ別など、特色が必要だと考える。展示会内容の国際化によって、「どのイベントに行ってもゲームのラインナップが代わり映えしない」という状況も生まれている。これは日本に限ったことではなく、諸外国でも同様であると想像している。世界レベルで優れたインディーゲームがイベントに集まるということは、アワードを獲得するのは全世界規模で人気を博している「いつものゲーム」という代わり映えしない状況になってしまう。日本を含む各地域のインディーイベントは、その地域の作家が作品を世界へアピールする機会をもっと提供してもらえればと願っている。
本連載「日本のゲーム文化を加速する「国産インディーゲーム」の潮流」では、3回にわたって日本国内のインディーゲーム開発者にまつわる状況を紹介した。これからゲーム開発に挑戦される方、今まさにゲーム開発をされている方、すでにリリースをされた方にむけて有用な情報になっていることを願う。
喜ばしいことに、近年は日本国内での「インディーゲーム」に対する注目が上がっている。筆者がインディーゲーム開発者として活動を始めた頃とは比べものにならない規模でチャンスが広がっている。前述のように展示の機会は増え、また開発者を対象としたコンテストやパブリッシング事業が急増している。「インディーゲーム」という言葉が国内でちょっとしたブームとなり、優秀な作品のリリースのみならず、インディーゲームをテーマとしたテレビ番組やドラマ、書籍の発売によって一般社会においても認知が高まってきている。
その反面で、インディーゲームの知名度が上がったことによるトラブルも増加するだろうと考えている。不当な条件で契約を結ばされたり、版権を巻き上げられたりといったビジネスに関わる問題。属人的な話題性で注目を集め、本人が開発していないにもかかわらず「インディー」を自称したゲームが市場を圧迫する問題。労働環境や技術的知見の周知不足による開発の遅れや不具合によるプレイヤーへの補償問題など、開発者を囲む課題は増える一方だ。
マンガや音楽などの近似の作家による娯楽ジャンルにおいては、作家の活動を支える協会などがこうした問題に関するサポートを行っている様子がうかがえる。しかし、ゲームはこれまで個人・小規模の作家が注目されにくかった時期があったゆえか、そうした個人作家補助の団体がない。例えば労働組合のような、開発者同士が助け合い、不当な契約などから身を守る手段が必要だと考えている。
ゲームは、マンガ・アニメーションに並ぶ日本の文化である。しかし、現状では新しい才能が生まれにくいうえ、行政や業界の支援が厚い欧米諸国と新興国からの板挟みになってしまっている。より多くの人に私たち小規模ゲーム開発者の苦境を知っていただき、日本発のカルチャーを担う世代の才能が埋もれないようになることを祈っている。
※URLは2023年1月28日にリンクを確認済み