令和5年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業における採択事業概要について

文化庁広報誌『ぶんかる』キャラクター「ぶんちゃん」

令和5年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業は、我が国の優れたメディア芸術作品の散逸、劣化などの危険性が高いメディア芸術作品の保存及びその活用・公開等を支援することにより、我が国のメディア芸術の振興に資することを目的とするものである。

本支援事業の詳細は、以下文化庁ウェブページに記載のとおり。
https://www.bunka.go.jp/shinsei_boshu/kobo/93827901.html

本年度においては、応募31件に対し、23件を採択(採択率74%)した。採択事業の概要は以下のとおりである。

団体名:一般財団法人大阪国際児童文学振興財団
事業名:明治、大正、昭和初期の子ども向け雑誌のデジタル化
補助金の額:4,720千円

明治、大正、昭和初期の子ども向け絵雑誌には多くのマンガや絵物語が掲載されており、同時代や後代のマンガ家・画家等に少なからず影響を与えたことはよく知られている。しかし、資料の所蔵機関が少ないことからその全貌は明らかではなく、現代のマンガ文化等との影響関係を論じることを困難にしている。そのような状況の中、大阪府立中央図書館国際児童文学館には『漫画少年』、『少女画報』、幼年や少年向けの雑誌など、明治期から昭和初期に発行された多くの貴重な児童雑誌が所蔵されており、国際児童文学館にしか所蔵がない巻号も多く含まれる。

資料の劣化が激しいこれらの雑誌をデジタル画像化し、内容目次を含めて公開することは我が国のメディア文化の発展に大きな意義がある。

そこで、本事業では『漫画少年』、『少女画報』等の雑誌の保存のためのデジタル化、内容目次の入力を行った。

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団体名:一般社団法人展示映像総合アーカイブセンター
事業名:展示映像の記録・保存・デジタル化推進事業
補助金の額:1,620千円

「展示映像」はイベント等での上映期間を終えると、作品の多くは上映空間や機材が撤去されることもあり、総合的に保存されることは稀である。廃棄されたり、散逸する作品も多く映画のような組織的なアーカイブとは無縁の映像である。

この展示映像を後世に残すことをめざして本事業を進めた。

一般社団法人展示映像総合アーカイブセンターにて保有している展示映像の中から、ビデオテープに収録されているため、メディアの劣化が危惧される次の2作品のデジタル化、データの一部公開を作業目標とした。

(1)『未来への挑戦~渋沢栄一物語~』1988年さいたま博覧会/渋沢栄一館(3面マルチ映像、16分)
すでにフィルムは原版とプリント共に廃棄されているが、唯一VHSビデオテープにて保存されている。
(2)『時の回廊への誘い』2001年山口きらら博覧会/山口市館(3面マルチ映像、8分)当時上映に使用されたレーザーディスクからDVテープにダビングされたものが保存されている。

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2作品のメタデータ一覧(展示映像総合アーカイブセンターセンターのホームページ)
https://acipe-archive.jp/

団体名:一般社団法人日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム
事業名:アニメ脚本と脚本家のデータベース構築
補助金の額:3,510千円

本事業では下記内容について実施した。

①アニメ(特撮作品を含む)脚本等の現物に関する事業
 ・アニメ脚本の収集と共に、書誌データの整理を行った。
 ・全国に分散保存されるアニメ脚本資料等の所在のヒアリングを行い、情報交換を行った。
②アニメ脚本資料の劣化・消滅防止に関する事業
 ・劣化した脚本等のデジタル化を実施 
 ・アニメ脚本家へのオーラルヒストリーを行い、収録済の動画をYouTubeを経由して公開。
③アニメ脚本データベース構築・発信準備事業 http://animedb.nkac.or.jp/
 ・脚本のあらすじ・作品紹介を作成。英訳のデータも作成した。
 ・収集した証言を書誌データ(作品)と紐付け、注釈を添付し公開を検討した。
 ・全国に分散所蔵されたアニメ脚本について、ヒアリングを行いつつ統合検索サイトを検討。
 ・地域資料としてPDFやエクセルシートで管理する各館の書誌統合を目指し、データ統一化の検討を継続実施。
 ・脚本家の所属先、筆名の統一を図り、プロフィールを作成。
 ・アニメ脚本創作などの、子どもやシニアに向けたワークショップ事業を検討した。

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アニメ脚本と脚本家データベース(書誌情報)
http://animedb.nkac.or.jp/

団体名:学校法人多摩美術大学
事業名:名古屋国際ビエンナーレARTEC全記録アーカイブ事業
補助金の額:1,260千円

1990年代に開催された名古屋国際ビエンナーレARTECは、世界最大規模のアート& テクノ・サイエンスの作品が集まる国際的なフェスティバルだった。ディレクターズ・グループが国内外のメディアアートに関するフェスティバルやアーティストについて行ったインタビューやリサーチ調査資料は、1980年代〜1990年代にかけての最前線のメディアアート・シーンを知る上で貴重な資料である。

残されたARTEC資料のデジタルアーカイブを行い、Webで公開するデータベースを構築する。また日本のメディアアート史におけるARTECの全容をたどることができる「ARTEC全記録」資料集を編纂する。

事業概要紹介資料(PDF)
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Webデータベースの公開:概要説明と成果物のダウンロード
多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース 森脇裕之研究室Web
http://www.idd.tamabi.ac.jp/~moriwaki/artec/

団体名:学校法人明治大学
事業名:明治大学現代マンガ図書館所蔵マンガ本目録データ作成事業
補助金の額:4,850千円

現代マンガ図書館は、国内最大級の蔵書を保有する専門図書館であり、約27万冊を保有している。平成21(2009)年に寄贈を受けた時点で目録は紙の台帳で、検索・閲覧は来館者に限られていた。2011年、目録のデータ化作業に着手、メディア芸術アーカイブ推進支援事業の支援も受け、2021年にそれまでの成果物である目録データ19万件をインターネットで公開、検索・閲覧を可能とした。

ISBNによりMADB(メディア芸術データベース)から目録データを取得し、配架する新しい方法を試み、有効であることを実証。本年度は、残る未整理資料全約6万冊の内、雑誌等を除くマンガ単行本約4.5万冊超のデータ取得を試みた。

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明治大学学術成果リポジトリ「2023年度明治大学現代マンガ図書館書誌所蔵一覧(コミックス)」
https://meiji.repo.nii.ac.jp/

明治大学現代マンガ図書館OPAC(米沢嘉博記念図書館と共同)
https://manga.meiji.jp/Opac/search.htm?s=5YS1vzZKPBLCwv2TA9pmYx067ib

団体名:学校法人立命館
事業名:ビデオゲーム資料の教育研究利用のための調査事業
補助金の額:4,360千円

立命館大学ゲーム研究センター(以下、RCGS)は、ビデオゲーム作品とその関連資料の書誌を「RCGSコレクション」において公開してきた。次の段階として、所蔵するビデオゲーム資料の利活用の方向性を検討していくことが課題の一つとなっている。

本事業では、ビデオゲーム資料の教育利用・資料提供方法論の方向性と課題を、利用者の来館動機や利用物品、利用行動より調査した。さらに、資料の検索向上のため、ゲームのサムネイルの作成と公開、RCGSコレクションのアップデートを実施した。

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RCGSコレクション
https://collection.rcgs.jp 

団体名:株式会社手塚プロダクション
事業名:手塚治虫アニメーション作品の絵コンテ・設定資料のデジタル化
補助金の額:3,230千円

「ジャングル大帝」「新ジャングル大帝 進めレオ」「W3」「どろろ」「悟空の大冒険」等に代表される手塚治虫のアニメ作品は日本のアニメーション史において多大な影響を与えてきた。

それら作品のアニメ制作の過程において発生した中間成果物である「絵コンテ」は資料として非常に価値が高いものであるが、紙に鉛筆で描かれているため、年月を経て劣化していく。内的要因の経年劣化、酸化は防ぐことが出来ない。特に経年劣化が著しい手塚アニメ作品の「絵コンテ」をデジタル化することで保存と後の活用につなげていくために本事業に取り組んだ。

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手塚プロダクション データ化絵コンテリスト
https://tezuka.co.jp/

団体名:株式会社トリガー
事業名:商業アニメーションにおける中間生産物のデジタル保存と目次化
補助金の額:3,800千円

技術保管、技術継承、学術研究への提供を目的とし、本事業では下記内容について実施した。

①アニメの中間生産物の目次化
②紙素材のスキャン方法の確立
③大判紙素材の保存方法
④大判紙素材のスキャン方法
⑤プリプロダクション素材の整理
⑥新人アニメーター教育素材としての活用
⑦徳島で行われたアニメイベント「マチアソビ」で無料にて複製素材公開
 https://gigazine.net/news/20231029-2d-animation-archive-machiasobi27/
⑧群馬県のデジタルクリエイティブに特化した若者人材育成拠点「tsukurun」にて複製素材公開
 https://gunma-tsukurun.jp/
⑨大阪芸術大学にて学生に向けた複製素材展示
⑩NIIへのデータ提供活動

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団体名:株式会社 ドーガ
事業名:CGアニメコンテストの入選作品及びその関連情報を収集し、データベース化等の整理を行った上で、web等で公開する作業
補助金の額:4,750千円

本事業では、CGアニメコンテストを中心とする自主制作CGアニメの作品や作者、それらに関する様々な情報を収集し、CGアニメコンテストの入選作品のアーカイブ化、関連情報のデータベース化、関係者等の証言や解説の文書化などを行った。

そしてそれらを専用のwebサイト「CGアニメARCHIVES」で公開をした。

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CGアニメARCHIVES
https://archives.cganime.jp/

CHRONICLE:歴史解説文書
https://archives.cganime.jp/chronicle/

団体名:慶應義塾大学アート・センター
事業名:1970年代以降のパフォーマンスおよび展覧会のビデオ記録のデジタル化・レコード化
補助金の額:4,690千円

本事業では、慶應義塾⼤学アート・センターが所管している「中嶋興」(1941~)および「VIC」(VideoInformation Center, 1972-)関連資料の中からパフォーマンスと展覧会の記録に着⽬し、ビデオテープと写真のデジタル化・レコード化・リスト化を⾏うことによって、1970年以降どのように「インターメディア」問題が模索されていたのかについて明らかにすることを⽬指した。そのため、中嶋とVICのビデオテープのデジタル化、レコード化、サムネイル化、およびリスト整備、中嶋のビデオテープ以外の資料(主に写真資料)のリスト整備を行った。また、最新版の《MYLIFE》(中嶋興とその他数⼈による)を作成するためのイベント「マイ・ライフ勉強会2」等を⾏った。

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慶應義塾大学アート・センター 事業公開用サイト
http://www.art-c.keio.ac.jp/research/research-projects/post1970_exhibition_performance/

団体名:公益財団法人山口市文化振興財団
事業名:犬飼博士+安藤僚子《スポーツタイムマシン》の修復・保存を契機とした、コミュニティアーカイブの継承
補助金の額:4,700千円

本事業では、ゲームクリエイターの犬飼博士とデザイナーの安藤僚子がYCAMで発表した参加型作品《スポーツタイムマシン》(平成25[2013]年)の修復を行った。

制作当時から作品に使用する3Dスキャナーやサーバー、プロジェクターの陳腐化、老朽化が進み、再展示に多大な労力がかかる状況が続いており、YCAMがこれまでに培ってきた作品の再制作や修復のノウハウを活かしながら、こうした問題の解決を図り、再展示しやすくすることで、作品に蓄積されたデータの未来への継承を実現した。再制作/修復に際しては、地域コミュニティも巻き込んだ再制作のあり方を模索した。

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作品のソースコードの公開
https://github.com/sports-time-machine

団体名:国立大学法人新潟大学
事業名:「渡部コレクション」を事例とするアニメ中間素材利活用ルール策定に向けて調査と協議
補助金の額:4,090千円

本事業は、アニメの歴史的資料である中間素材の利活用こそが、アニメ文化の継承とアニメ産業の発展に資すると考え、1970年代半ばからアニメ制作に従事した渡部英雄氏より2016年に新潟大学に寄託された、アニメ中間素材資料体「渡部コレクション」を事例に選び、中間素材の社会的・法的位置付けを調査すると同時に、それらの学術利用を中心にした利活用に必要なルールについて、アニメ中間素材に関わるステークホルダーと協議した。

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本事業報告書β版の内容公開(新潟大学アジア連携研究センターホームページ)
https://www.arc.niigata-u.ac.jp/anime-materials/

団体名:鯖江市
事業名:クリヨウジ作品アーカイブプロジェクト
補助金の額:4,700千円

本事業は、作家クリヨウジ(久里洋二※2016年にカタカナ表記に改名)氏のアニメーションを中心としたメディア芸術作品の未整理資料を調査し、カタロギングとデジタル化を実施することで氏の広範な創作活動を包括的に捉え、次世代に資することを目的とした事業である。

クリ氏の作品は日本のメディア芸術の先駆時代の検証に必要不可欠なものである。しかし、それらの貴重な作品及び関連資料はアトリエや倉庫で適切な形で保存されておらず、劣化や損失が危惧される現状にある。また、クリ氏の長年の創作活動は多岐にわたり分量も多いため、全ての資料の調査・カタロキング・デジタル化には複数年かかると推定される。

本事業では、作業計画のもと、未整理資料の総合的な調査、デジタル化を行い、クリ氏へのヒアリングを通して氏の創作活動の全容を把握するべく取り組みを進めた。

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クリヨウジアーカイブサイト
http://yojikuriarchive.com

団体名:特定非営利活動法人ゲーム保存協会
事業名:国内コンピューターゲーム データベース情報入力
補助金の額:3,970千円

今年度の文化庁補助事業では、国内コンピューターゲームを対象に、現物資料をもつ当協会だからこそできる正確性が担保されたデータベースへのデータ登録、専門的な知識と技術を要するマイグレーション、アーカイブ機関として国際基準を満たす資料デジタル化を行った。

また、ゲームソフトそのものへのアプローチだけでなく、当時のゲーム文化で無視することのできない雑誌掲載プログラムのリスト作成、ゲーム広告についての情報の目録作成、攻略本情報の登録も実施した。

ゲームに関しては、信憑性があり検索がしやすいゲーム・カタログやデータベースが少なく、文化庁補助事業及び当協会が公開するデータベースが、そうした状況の打開になればと考え、アーカイブ専門機関としての学術的立場から、資料情報の収集と整理を続けている。

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令和5(2023)年度実績報告
https://www.gamepres.org/media/hojokin/

団体名:特定非営利活動法人コミュニティデザイン協議会
事業名:岩井俊雄アーカイブ&リサーチ
補助金の額:4,230千円

近年は絵本作家としても知られるメディアアーティスト岩井俊雄は、1980年代半ば以降、アートにとどまらず、テレビ番組、ゲーム、CGアニメーション、電子楽器の制作など幅広く活動し、「メディア芸術」の領域を横断する国際的に評価の高いアーティストである。しかし、岩井の作品や関連する資料は、これまで劣化の一途を辿っている。

1980年代半ば以降、日本を代表するメディアアーティストとして国際的に評価の高い岩井俊雄の作品に関連する資料の整理とデジタル化を進め、それを広く公開することを目指す。

令和5年度は、基本的に岩井が個人的に保管する資料を扱った。エンジニアやプログラマーなど専門家のアドバイスをもらいながら、作品の再制作のための技術的なガイドラインを作成した。

事業概要紹介資料(PDF)
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・資料と語るオンライン・トーク「時間層シリーズ」
https://www.youtube.com/watch?v=uQgn0iuyh_I
・再展示のプロセスをレポートにまとめて公開中
https://ccbt.rekibun.or.jp/research-notes/time-stratum-series

団体名:特定非営利活動法人ビデオアートセンター東京
事業名:飯村隆彦 ビデオアート、フィルム、パフォーマンス作品のデジタル化と修復事業
補助金の額:1,300千円

実験映画、ビデオアート、メディアアート分野の草分け的存在である飯村隆彦(1937年~2022年)のフィルム作品、ビデオテープ作品のデジタル化及びアーカイヴ作業を行った。ユネスコが警鐘を鳴らしているように、磁気カセットテープの磁性体の劣化と再生ヘッドの生産停止により、今後再生が不可能になることが危惧されており、速やかなダビングとデジタル化が急がれる。

本事業は飯村隆彦が残した8mmフィルム作品とカセットテープをデジタル・データに変換し、リスト化を行った上で必要なものは保存修復を施し、その芸術的功績を次世代に残し、また国内のメディアアートの貴重な資料としてアーカイヴ化を試みるものである。

事業概要紹介資料(PDF)
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飯村隆彦アーカイブサイト(ビデオアートセンター東京)
https://vctokyo.wixsite.com/info/iimura-archive

団体名:特定非営利活動法人プラネット映画保存ネットワーク
事業名:神戸映画資料館所蔵アニメーションフィルムのデジタルアーカイブ事業
補助金の額:4,850千円

神戸映画資料館所蔵アニメーションの中には、複製化やデジタル化ができていないフィルム、さらには題名等が欠落し詳細が不明の作品が多数ある。神戸映画資料館所蔵アニメーションのデジタル化と調査研究は、このコレクションを公開・活用するための基盤を構築するもので、日本アニメーション史の可視化の一端を担い、国内のみならず世界のアニメーション振興に資することにつながる。

そこで本事業では以下のような活動を行った。

①神戸映画資料館所蔵アニメーションフィルムの目録作成(3622点)
②アニメーションフィルムのデジタル化(47本)
③書籍「日本アニメーション映画史」作品目録 新版データベース化
④公開と発表

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事業成果の公開
・令和5年度調査報告書
・「日本アニメーション映画史」(1977年/有文社)作品目録の改訂部分
・4作品の動画(一部抜粋)
https://kobe-eiga.net/cinema/research/

団体名:長崎市
事業名:清水崑マンガ原画等資料アーカイブ化事業
補助金の額:1,880千円

現在、日本のマンガが世界的に評価を受け隆盛を極める中、大人マンガの集団である「漫画集団」について、その存在が忘れられつつある。昭和期を中心に活躍した彼らは政治マンガ、著名人や演劇などの取材に本の挿絵や装丁など現在のジャーナリスト、イラストレーター、作家に類する多彩な活躍を見せている。

長崎市出身の清水崑(1912~1974)は、漫画集団の代表的なマンガ家である。朝日新聞を中心に掲載した政治マンガが好評を博し、更に『かっぱ天国』に代表される、河童が人間のようなユーモアあふれる生活を送るかっぱ漫画は社会現象となり、清水崑の代名詞ともなっている。

本事業では、清水崑マンガ原画等資料の撮影と目録の整理を行い、清水崑の個人研究及び普及活動に資する素材作りを行った。

事業概要紹介資料(PDF)
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清水崑マンガ原画等資料目録
https://www.city.nagasaki.lg.jp/syokai/720000/724000/p040100.html

清水崑講義教材動画(MOOC)
https://www.nagasaki-gaigo.ac.jp/recnas/mooc/SHIMIZU_Kon/

清水崑論考(長崎市長崎学研究所紀要『長崎学』第8号掲載)
https://www.city.nagasaki.lg.jp/syokai/720000/724000/p041899.html

団体名:日本アニメーション株式会社
事業名:アニメ「ちびまる子ちゃん」の絵コンテスキャン
補助金の額:1,580千円

1990年に第一期を放送し、その後、1995年1月8日から現在に至るまで、フジテレビ系列(毎週日曜日・18時~)でTVアニメーションシリーズとして放送を継続している「ちびまる子ちゃん」の絵コンテを、同シリーズ通算1,400超におよぶエピソードのデジタル保存の第一歩として、デジタルデータ化した。

本事業では、漫画家で原作者である故さくらももこ氏による脚本エピソードを中心に、約200話相当を抽出し、スキャニング作業を実施した。

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事業詳細紹介資料(PDF)

令和5年度文化芸術振興費補助金「ちびまる子ちゃん」絵コンテスキャン作業報告 ~対象エピソード目録~
https://www.nippon-animation.co.jp/news/information/16450/

団体名:森ビル株式会社
事業名:日本特撮アーカイブ(中野昭慶特技監督・矢島信男特撮監督 画コンテ資料の調査/保存)
補助金の額:4,820千円

日本特撮アーカイブは、特撮に関する中間制作物の保管・保全を第一の目的としている。

中でもミニチュアなど一次資料となる現品は、適切な環境で永続的に保存していかなければならない。また、それらの展示・講演会・ワークショップ・上映会などを通して特撮の魅力を後世に伝えることで、特撮文化の継承に繋げていくことを目指している。

2023年度事業では、1970~1980年代の東宝大作路線を一身に背負う活躍をした中野昭慶氏、東映の映画とテレビ作品を中心に活躍し特撮研究所を設立した矢島信男氏らが残した直筆絵コンテ等の資料の調査・整理・デジタルアーカイブ(2Dスキャン/データ化)と一部資料の試験的な公開を実施した。

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調査研究活動紹介(須賀川特撮アーカイブセンター公式ウェブサイト)
・特撮監督矢島信男氏の直筆絵コンテ資料
https://s-tokusatsu.jp/archive/research-ny2023-1/
・特技監督中野昭慶氏の直筆絵コンテ資料
https://s-tokusatsu.jp/archive/research-tn2023-2/

団体名:有限会社劇団かかし座
事業名:影絵アニメーションフィルムのデジタル化と公開
補助金の額:1,660千円

1976~1981年に、劇団かかし座が制作しTBS系列局にて放映された影絵映像「影絵グリム童話」「影絵むかし話」は、「厚生省中央児童福祉審議会推薦番組」を受賞し、海外にも輸出され放映されるなど、国内外で高い評価を受けた。

しかしながらその後、再放映されることなく映像原盤は当時のフィルムのまま保管され、劣化が進行している状況だった。

そこで前年度および今年度の本事業にて、フィルム映像のデジタル化を行い、WEBにて公開し誰もが視聴できるよう取り組んだ。

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影絵アニメーションフィルムのデジタル化と公開について
https://kakashizafilms.wordpress.com/

団体名:有限会社さるすべり
事業名:少女まんが館蔵書の整理・メタデータ化プロジェクト
補助金の額:1,500千円

少女まんが館は「少女まんが世界」の永久保存を目指し、有志10名によって1997年に創設された少女マンガ専門の私設図書館で、近年、未整理の中に他の関連施設にない唯一の存在が明らかになり(萩尾望都デビュー作品掲載の雑誌『なかよし増刊』、明治時代の少女雑誌など)、蔵書(収蔵品)の抜本的整理とメタデータ化の必要を痛感し、個人レベルで運営をしてきた少女まんが館をより利用しやすくなるよう蔵書を整理しつつ、重複分などの検分と総量(総冊数)調査、一部蔵書のメタデータ化を実施した。

事業概要紹介資料(PDF)
事業詳細紹介資料(PDF)

少女まんが館データベース検索
https://www.nerimadors.or.jp/~jomakan/data/

団体名:有限会社タクンボックス
事業名:古川タクの作品・活動アーカイブ
補助金の額:3,710千円

1964年から個人作家として短編アニメーションを制作、草月アニメーション・フェスティバルに参加し、国際的なアニメーション作家として活躍を続ける古川タクの作品および関連資料のアーカイブを実施した。フィルムのデジタル化、資料整理、リスト作成、作家へのヒアリング、ウェブサイトでの資料公開、簡易アーカイブマニュアルの頒布を行い1960年代以降の個人制作アニメーション作品の文化的背景、資料価値を伝え、各資料へのアクセス性の向上を図った。

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TAKU FURUKAWA ARCHIVE
https://archiveanimation.wordpress.com/

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