MADB Labにてメディア芸術データベースに関するコラム記事公開

マンガ、アニメーション、ゲーム、メディアアートなど、メディア芸術作品のデータを幅広く活用するための情報発信サイト「メディア芸術データベース・ラボ(MADB Lab)」では、メディア芸術データベース(MADB)で公開されているすべてのメディア芸術作品を対象に、データの利用方法や活用事例を紹介しています。

このMADB Labにて、連載コラム「MADBベータ版のマンガ・アニメーション・ゲーム分野の登録データ件数と主要データとの比較(全6回)」と、「Wikidataとのデータ連携、その現況と展望」と題したコラムが、2023年2月から3月にかけて公開されました。

連載コラムでは、2021年度に実施したMADBの網羅性を把握するための調査結果をもとに、マンガ・アニメーション・ゲーム分野のMADBベータ版に登録されている作品・資料のデータ件数と、それぞれの分野や業界で一般に広く使われているデータベース・情報源に掲載されているデータ件数を比較しています。また、MADBとWikidataとのデータ連携に関するコラムでは、その技術的背景と連携効果を報告しています。

記事のラインナップと、主な内容は下記のとおりです。メディア芸術作品の調査研究を行う学術分野をはじめ、マーケティング・リサーチやアプリケーション開発などのビジネス分野においても、新しい発想や活動の創発にぜひお役立ていただければと思います。くわしくは各コラムをご覧ください。

第1回:マンガ雑誌巻号の登録データ件数比較

本コラムでは、MADBが保有するマンガ雑誌データについての調査結果を解説しています。MADBでは、マンガ雑誌のデータを単号単位で登録しており、比較対象として国立国会図書館(NDL)が所蔵するマンガ雑誌の件数、出版科学研究所が発行する「出版月報」「出版指標年報」に掲載されたマンガ雑誌の銘柄数を用いて、巻号単位の出版点数を推計することで1946年から現代までの週刊誌・月刊誌の発行頻度や出版傾向の移り変わりを明らかにしています。
https://mediag.bunka.go.jp/madb_lab/event/research-report1/ (2023年2月20日)

第2回:マンガ単行本の登録データ件数比較

MADBに登録されているマンガ単行本のデータ件数を、戦後の出版流通の社会的変化を鑑み、1951年~1980年と1981年~2019年の二つの時期に分けて検証しています。比較対象としたのはNDLの所蔵件数、「出版年鑑」の書籍目録、明治大学現代マンガ図書館の整理済み所蔵目録データの記載件数、「出版指標年報」の新刊発行点数で、その結果MADBが収録するマンガ単行本データは1970年代後半以降、近年になるほど網羅性が高い状況だとわかりました。
https://mediag.bunka.go.jp/madb_lab/event/research-report2/(2023年2月20日)

第3回:ゲームパッケージの登録データ件数比較

国内で制作されたコンピュータゲームのデータを保有するMADBでは、家庭用ゲームにおいて、ロムカセットなどの物理パッケージと、ダウンロード販売などのオンラインパッケージの両方を登録しています。今回は、MADBの家庭用ゲームのデータとメディアクリエイト発行の「ゲーム産業白書」を比較した結果、物理パッケージの登録数はMADBの方が多く、より網羅性が高いことがわかりました。また近年のゲーム発売状況として、2010年代前半からオンラインパッケージが物理パッケージの件数を上回っています。
https://mediag.bunka.go.jp/madb_lab/event/research-report3/(2023年3月13日)

第4回:アニメテレビ番組の登録データ件数比較

MADBでは日本のアニメーションに関して、テレビ番組、映画館で上映される映画、映像パッケージの3種類に関するデータを収集しています。この3種のデータは、アニメーションの研究書や研究者によって作成されたデータと、新たに専門誌などの調査データを登録したものです。今回は「テレビ番組シリーズ」と「アニメテレビ番組」の2種類を比較。比較対象にはアニメーション業界で網羅性が高いと評価されている「リストDB」を利用しました。MADBの情報源にもリストDBのデータは含まれていますが、2010年を境にMADBの登録件数がリストDBを大幅に上回っていることがわかりました。
https://mediag.bunka.go.jp/madb_lab/event/research-report4/(2023年3月13日)

第5回:アニメ映画の登録データ件数比較

MADBでは映画館で上映されたものに関するデータを「アニメ映画」として収集・登録しています。アニメテレビ番組と同様に、アニメ映画についても「リストDB」を比較対象とし、二つの期間に分けてデータを検証しました。1917~1966年の期間では、日本映画の草創期から高度経済成長に向かう時期であり、両者で全体の件数の少なさが目立ちました。1967年~2017年の期間では、リストDBがMADBと同数かやや多く推移。近年になるとMADBの件数がリストDBより多い年が散見されました。
https://mediag.bunka.go.jp/madb_lab/event/research-report5/(2023年3月13日)

第6回:アニメビデオパッケージの登録データ件数比較

MADBでは映像パッケージメディアにて一般販売されたものに関するデータを「アニメビデオパッケージ」として収集・登録しています。調査ではカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が作成した「CCCデータ」を比較対象としました。MADBのデータ登録数は9,191件、対するCCCデータはデジタル化以前のデータが多数含まれ、レンタル専用のビデオパッケージも登録されており、登録数は12万件を超えています。MADBは、CCCデータの登録も検討しており、実現すればMADBのアニメーションに関するデータの網羅性はほぼ倍増すると言えます。
https://mediag.bunka.go.jp/madb_lab/event/research-report6/ (2023年3月13日)

Wikidataとのデータ連携、その現況と展望

Wikidataは構造化データのデータベースであり、Wikipediaの姉妹サービスとして機能しています。メディア芸術データベースもWikidata同様、リンクト・オープン・データ(LOD)でのデータ提供を行っており、両者はデータ接続に適しています。このコラムでは、Wikipedia記事からWikidataリソースにアクセスする方法や『ファイナルファンタジーVII』の事例を紹介。外部データとのリンクやデータセットの意義などを伝えています。
https://mediag.bunka.go.jp/madb_lab/event/wikidata-report/(2023年2月28日)

※URLは2023年4月12日にリンクを確認済み

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